ニューロフィードバック2021

アルファ帯ニューロフィードバック訓練がアスリートの心拍変動に与える影響

The Influence of an Alpha Band Neurofeedback Training in Heart Rate Variability in Athletes

Domingos C, da Silva Caldeira H, Miranda M, Melício F, Rosa AC, Pereira JG.International Journal of Environmental Research and Public Health

論文ページを開く(doi:10.3390/ijerph182312579

アルファ NF は、アスリートの自律神経バランスにも届く

Domingos et al., 2021

実験内容

男性学生アスリート30名を、週3回ペースで計12セッションの個人別アルファ帯 NF 訓練を行う高頻度群と、対照群に無作為に振り分け。介入前後で心拍変動(HRV)を測定し、自律神経活動への影響を比較した。

結果

高頻度(週3回×4週・計12セッション)でアルファ NF を行った群は、介入後の平均 HRV が有意に上昇した。対照群では同様の変化は見られず、十分な頻度で実施されたアルファ NF が、身体的に活動的なアスリートの自律神経バランスにも変化を及ぼしうることが示された。

補足

参加者
男性学生アスリート 30名
プロトコル
個人別アルファ帯 NF・週3回×4週(計12回)
評価指標
心拍変動(HRV)
示唆
頻度が NF 効果の鍵となる可能性
12 セッション介入後の HRV 変化
pre
post
高頻度 NF(週3回)
pre
post
対照群

Domingos, C., da Silva Caldeira, H., Miranda, M., Melício, F., Rosa, A. C., & Pereira, J. G. (2021). The Influence of an Alpha Band Neurofeedback Training in Heart Rate Variability in Athletes. International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(23), 12579. doi:10.3390/ijerph182312579

概要

アスリートにとって、心拍変動(HRV)は単なる心臓のリズムではなく、副交感神経系の活動状態 ─ すなわち回復力やコンディションの良さ ─ を映す重要な指標である。HRV が高いことは、身体が外的要求に柔軟に対応できる状態にあることを示し、競技パフォーマンスや故障リスクとも関係する。本研究は、アルファ帯のニューロフィードバック(NF)という「脳」への介入が、こうした「身体」の自律神経指標にまで波及するのかを検証したものだ。

男性学生アスリート30名が無作為に2群に振り分けられ、高頻度群は週3回ペースで計12セッションの個人別アルファ NF 訓練(各被験者のピークアルファ周波数に合わせた訓練)を受け、対照群は通常の練習を続けた。介入の前後で短時間 HRV が測定された。

結果、高頻度群は介入後に平均 HRV が有意に上昇したのに対し、対照群では変化が見られなかった。アルファ NF を「十分な頻度」で行うことで、脳活動だけでなく、心拍を制御している自律神経のバランスにも影響を及ぼせる可能性を示した結果である。逆に言えば、NF の効果は実施頻度や継続性に強く依存し、散発的な実施では同じ効果は期待できない可能性がある。

TUNEプロジェクトは、瞑想や NF を「気分」だけでなく身体コンディションの最適化手段としても位置づけたいと考えている。本論文は、脳に対する介入が身体に届くこと、そしてその効果を引き出すには十分な頻度と継続が必要であることを示す、応用上重要なエビデンスである。